新NISA投資戦略5選〜あなたはどの投資タイプ?〜

NISA

 2023年も残すところ、2週間余りとなりました。
 そして、2024年といえば「新NISA」が始まる年となります。
 皆さんは、新NISAで何に投資するか決めましたか。もしまだ決めきれていないという方がいれば、よく目にする投資戦略をまとめたので参考にしてみてください。

もくじ

1 効率重視型
2 コツコツつみたて型
3 攻撃型
4 守備型
5 インカム重視型

効率重視型

おすすめ度:★★★☆☆
投資戦略:年初に360万円を一括投資

 この型の特徴は、とにかく効率重視。
 過去の統計においては、つみたて投資よりも一括投資の方が勝率は高いという結論が出ています。このデータに基づいて、年初に一括投資をするのが、この型の基本戦略となります。
 各投資枠の投資先候補は、次のとおりとなります。

つみたて投資枠・成長投資枠

全世界株式またはS&P500指数に連動した投資信託

 余計な思考を投資に組み込まないのも、この型の特徴の一つです。
 王道と言われる「全世界株式」または、世界を牽引するアメリカ市場を代表する株価指数である「S&P500」。これらに連動する投資信託を年初に一括で購入し、1日でも長く市場リスクに晒すことによって最大効率を得るという戦略となります。

効率重視型がおすすめな人は?

・世界全体またはアメリカの成長を信じれる人
・年初に一括購入できる余剰資金がある人
・投資に対して、あれこれと考えたくない人
・リスク許容度が高めな人

コツコツつみたて型

おすすめ度:★★★★★
投資戦略:毎月数万円〜30万円をつみたて投資

 「無理をしない」のがこの型の特徴。
 年間360万円という投資枠のうち、自分が投資できる額を無理なく毎月積み立てていくのがこの型の基本戦略となります。
 各投資枠の投資先候補は、次のとおりとなります。

つみたて投資枠

全世界株式またはS&P500指数に連動した投資信託

 王道の投資先を投資戦略の軸(コア資産)とします。
 これらの投資信託一本で行くのもいいですが、次の成長投資枠で紹介する投資先に資金の一部を回しすことで、より大きなリターンを得る可能性が広がります。

成長投資枠

NASDAQ100
 アメリカのナスダック市場に上場している代表的な100銘柄を集めた指数。
 約50%がハイテク銘柄で構成されており、S&P500を上回る成績を出しているものの、値動きの幅も大きい。

FANG +指数
 Facebook、Amazon、Netflix、Googleの4社を含む、米国企業10銘柄で構成された指数。
 10銘柄に集中投資している分、S&P500やNASDAQ100よりもリスクは高いが、リターンも上回っている。

インド株
 インド株に投資する場合、「SENSEX」または「Nifty50」が代表的なインド株の指数となる。
 新興国の中でも人口が増加しており、経済成長が見込めると言われている。「インド」という国に魅力を感じるのであれば投資先として検討しても良い。

 成長投資枠では、「お楽しみ枠」として大きなリターンを狙える投資先に投資をするのも投資戦略の一つです。
 ただし、無理にリターンを追う必要はないので、全世界株式またはS&P500一本で投資するのも良い選択と言えるでしょう。

コツコツつみたて型がおすすめな人は?

・投資初心者(株の値動きに慣れていない人)
・一括投資による値動きが怖いと感じる人
・毎月安定した収入はあるが、一括で投資するほどの余剰資金はない人。

攻撃型

おすすめ度:★★★☆☆
投資戦略:リスクの高い商品に投資し、リターンの最大化を狙う

 「リターンの最大化」を狙うのがこの型の戦略です。
 全世界株式やS&P500よりも高いリスクを受け入れる分、得られるリターンも大きくなる可能性があるのがこの型の特徴となります。
 各投資枠の投資先候補は、次のとおりとなります。

つみたて投資枠・成長投資枠

FANG +またはNASDAQ100指数に連動した投資信託

 この戦略では、上記で説明した2つの指数を投資対象とするのが基本戦略となります。
 全世界やS&P500に比べてリスクは高いものの、NASDAQ100であれば100社、FANG +であっても10社に分散投資することになります。また、この2つの指数はアメリカを代表する企業の集まりでもあり、銘柄の入れ替えも行われるので、十分勝算が見込める投資先と言えるでしょう。

攻撃型がおすすめな人は?

・投資経験者でリスク許容度の高い人
・一般的な会社員、公務員で、投資のみでFIRE(早期退職)を目指している人

守備方

おすすめ度:★★★★☆
投資戦略:株式と債権を組み合わせて安定的に資産運用を行う

 「安定的な資産運用」が、この型の特徴です。
 この型では、株式の運用で一定の値上がり益を狙いつつ、債権の利息で安定的な収入を得ることを目的として投資を行います。また、株と債権という性質の違う投資商品を組み合わせることによって、値動きの幅を抑えられるのが、他の方にはない特徴となります。
 各投資枠の投資先候補は、次のとおりとなります。

つみたて投資枠

全世界株式に連動した投資信託
バランス型の投資信託(株式と債権が組み合わさった投資信託)

 「安定的な資産運用」という点を考慮すると全世界株式一択と言えるでしょう。
 また、自分で債権ファンドを選択するのが面倒という人は、バランス型投資信託一本にするのもいいでしょう。

成長投資枠

米国債権ETFまたは各種債権投資信託

 つみたて投資枠で全世界株式を購入するのであれば、こちらで債権を購入するのがいいでしょう。
 現状では、米国債権ETFが利回りも高く、おすすめな投資先となります。

守備型がおすすめな人は?

・すでにリタイア(退職)している人
・リスクを抑えて資産運用を行いたい人

インカム重視型

おすすめ度:★★★☆☆
投資戦略:高配当株式を運用し、非課税で配当金を受け取る

 配当金を非課税で受け取ることができるのが、この型の特徴です。
 特定口座で運用するよりも手元に残るお金が多く、投資による恩恵を実感しやすいのが、投資信託一本で資産運用を行う型との最大の違いとなります。
 現状では、つみたて投資枠には適した金融商品がないため、成長投資枠に重点を置いた資産運用となります。
 各投資枠の投資先候補は、次のとおりとなります。

つみたて投資枠

全世界株式またはS&P500指数に連動した投資信託

 つみたて投資枠では、王道の投資信託を購入するのがいいでしょう。

成長投資枠

個別株
投資信託(高配当株関連のもの)
米国ETF
 SPYD、HDV、VYM、VIG等の高配当、連続増配ETF

 自身で企業分析等を行い、購入する株の選別ができるのであれば高配当の個別株を購入しましょう。
 難しいと感じるのであれば、投資信託か米国の高配当ETFを購入するのがいいでしょう。
 最近では、「SBI日本高配当株式」等の日本株を対象とした、信託報酬の低い投資信託も販売され始めたので、気になる方は調べてみるのもいいかと思います。

インカム重視型がおすすめな人は?

・投資信託等の売り時を考えるのが苦手な人
・配当金等を受け取りたい人
・収入の柱を増やしたい人

あとがき

 今年は、昨年の株式相場の不調から反発し、米国市場、日本市場ともに大きく株価が上昇しました。
 株価の下落に伴い、SNS上では、「リセッション」「暴落」「損切り」等の声が多く聞かれました。これらの雑音に惑わされず、長期投資を継続できた方は、大きな恩恵を受けられたのではないでしょうか。
 「上がってハッピー、下がってラッキー」、SNSで見かけた言葉だったと思います。
 今年の株価上昇も、20年、30年後に振り返ってみれば、過去の上げ下げ同様にさざなみ程度の影響しかないでしょう。ただ、株価が上昇して評価益が上げれば嬉しくなるのは人として当然だと思います。まさしく、「上がってハッピー」な状況です。
 そして、下がった時こそ株は買い時となります。目先の評価損が膨らんでいくのは怖いですが、逆に考えれば、安く買えるということ。つまり、「下がってラッキー」な状況となるのです。
 投資をする以上、株価を全く見ることなく過ごせる人は少ないでしょう。
 リスク許容度は、人によって違いますが、「上がってハッピー、下がってラッキー」と思えるくらいの金額こそが、あなたにとっての適正値であり、長期投資を続けるためのコツと言えるのではないでしょうか。

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